「ワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京」(以下、ワールドスケートボード東京2023)は、昨日までの過酷だった予選をくぐり抜け、世界ランキング(OWSR)の上位のプレシード選手と予選上位者をあわせて、男女各32名のアスリートが12月15日(金)の準々決勝に挑みました。
最高水準のランが連続した第4ヒートで湧いた女子の準決勝は、ジャッジの評価の一貫性を見事に証明しました。いかなるトリックをも見逃さないジャッジたちの前で思い切って技を決めていかないと…日曜日の決勝で表彰台に登るのは、準々決勝の上位8名の中から現れる可能性が高いのではないでしょうか。
前回のローザンヌ大会と比較すると、全体的に安定したライディングをまとめることが選手たちにとって焦点になっていることは明らかです。特に上位8名の選手のトリックレパートリーには弱点は無く、どの選手もが今回優勝できる可能性を秘めています。
準々決勝ではクロエ・コベルが1位通過を果たしたものの、各選手たちの全体的な水準が非常に高いため、決勝の最終順位はトリックチョイスの優劣ではなく、トリックミスの有無が鍵となり全く予測がつきません。
16日(土)の準決勝に進出する女子選手の16人のうち、なんと7人が日本人選手、ブラジル、オランダ、スペインからそれぞれ2名ずつ、ポールポジションを占めるのはオーストラリアです。
日本人選手の最高位は3位通過の赤間凛音、世界ランキング現時点でトップの西矢椛は4位で通過しました。
男子準々決勝は、トップクラスの選手たちが続々と敗退するという劇的な形で幕を閉じました。驚異的な安定感を誇る若手、小野寺吟雲が唯一70点以上のランを2本叩き出したのを始め、日本人選手の快進撃は止まらず、トップ通過した根附海⿓、続く白井空良など、男子の日本人選手は6名が準決勝に進みました。
堀米雄斗は今ひとつ得点を伸ばせないながらも準決勝にコマを進めました。また、ワイルドなスタイルが魅力的な米国のアレックス・ミドラーや、南米ペルーの新鋭デイヴィッド・トゥエスタ、南米メキシコのグレッグ・ロドリゲスらも準決勝に進みました。
生粋のストリートスケーターのブレイデン・ホーバンは、その速くルーズなスタイルを活かし2本目のランで68点以上を獲得、堂々の6位に入りました。カナダからはミッキー・パパとコルダノ・ラッセルの2人が準決勝進出を決めましたが、強豪ブラジルから意外にも準決勝にコマを進めたのはガブリエル・アグイラのみ。スロバキアの常連リヒャルト・トゥリーと、そして当然のことながらナイジャ・ヒューストンが準決勝進出を決めました。
ケウビン・ホフラー、ジャガー・イートン、ダショーン・ジョーダン、グスタボ・リベイロといった著名選手たちが明日の準決勝に出場できないという……なんという残酷な一日だったのでしょうか。
それでもまた明日は新しい一日が始まります。また明日、準決勝の模様をお届けします。